建築現場で職人さんが言うことを聞かない訳とは?10年生セコカンが教える「信頼」の正体

【人間関係】

「朝、現場に行くのが憂鬱…」
「職長に指示を出しても、まともに聞いてくれない」
若い施工管理(セコカン)時代、誰もが一度はぶつかるのが

「職人さんとの人間関係」の壁ですよね。

年上のベテラン職人に鼻で笑われたり、無視されたりすると、自分が全否定されたような気分になるものです。

上司「おい!この型枠材はここに仮置きしろって職長さんに伝えとけ!」

自分「わかりました。」

自分「お疲れ様です。その資材はここへ仮置きしてもらえますか?」

職長「ふざけるな!そんなところにおいたら遠い!勝手にここに置くぞ!」

自分「どうしよ~、、、」

こんな経験、あなたにもないですか?

まずなぜ指示を聞かないのかの理由を考えましょう。
関係性、コミュニケーション、信頼度など、いろいろな理由はあると思います。
しかし、結論から言うと、一番大切なのは「信頼度」です。

1. 関係性が良好でなくても指示を聞いてもらえる理由

コミュニケーションの良さと「信頼」は別物

関係性やコミュニケーションを良好にするのは時間がかかるため、今回はあえて除外して考えてみましょう。

実は、関係性が良好でなくても、コミュニケーションがうまくできなくても、職人さんに指示を聞いてもらうことは可能です。

信頼されていれば職人は動く

人の信頼とはどのように生まれるでしょうか?逆にどのようにしたら信頼はなくなるでしょうか?

意外かもしれませんが、信頼とは単に関係性が良好だったり、コミュニケーションが頻繁に取れていたりするだけでは生まれません。

逆に関係性がまだ浅くても、信頼されていれば職人さんや作業員さんは自分の指示で動いてくれます。

建築施工管理に10年携わってきた経験からすると、信頼される指示とは「指示の合理性」と「お互いの利益」を示すことです。この2つを満たすと、自ずと指示を聞いてくれるようになり、それが本当の信頼につながります。

一度この信頼関係ができれば、職人さん側が「あの監督の言っていることは正しい、聞いていれば利益になる」というマインドになり、細かく説明しなくても指示を聞いてくれるようになります。

2. 職人が納得する「合理性」と「お互いの利益」の正体

合理性とは「誰が見ても納得できる理由」があること

指示に合理性があるというのは、単に「上司に言われたから」ではなく、現場全体にとって「その場所・そのタイミングでなければいけない明確な理由」がある状態です。

例えば、先ほどの仮置きの例であれば、「なぜそこに置くのか」の理由
(次の重機の動線になる、明後日別の業者がここで作業する等)をセットで伝えることです。

これが抜けていると、職人さんからは「ただの監督の思いつき(不合理な指示)」に見えてしまい
反発を生みます。

お互いの利益とは「現場監督の利益」と「職人の利益」

現場監督の利益とは、現場を回すに当たり、安全に円滑に進められるよう指示を聞いてもらえることです。

では、協力業者(職人・作業員)の利益とは何でしょうか?

わかりやすく言うと、職人さんの利益とは「お金(生産性)」です。

協力会社は主に請負契約で動いています。請負契約での協力業者の利益を分解すると、以下の2点に集約されます。

  1. より工期を短くする(早く終わった分、他の現場に行ってさらに稼げる)
  2. より人工(人数)を少なくする(単純に手戻りが減り、支払う人件費が減る)

つまり、「ここに仮置きしてもらうことが、巡り巡ってあなたたちの作業効率を高め、結果的に早く帰れる(稼げる)ことにつながる」というストーリーを提示することが、お互いの利益を示すということです。

3. 職人に声をかける前の「3つの事前確認」

ぎょうぎょうしく紙に書く必要はない

指示する前に、自分の頭の中でほんの1分だけ内容を整理をしましょう。

ここまでの内容をふまえると、確認すべきポイントは以下の3点です。

指示前のチェックリスト

  • 1. 指示の内容を理解し、合理性・再現性があるか?

    「なぜその指示が必要なのか」を自分自身がロジカルに説明できるか確認します。

  • 2.この指示により、現場が円滑に進むか?

    目先の作業だけでなく、現場全体の工程がスムーズになる着地点かを確認します。

  • 3.この指示により、職人(協力業者)にも利益があるか?

    職人さんの手間や手戻りを減らす配慮、あるいは生産性向上につながる要素があるかを確認します。

4. 【体験談】私が100億規模の現場で学んだ「指示の出し方」の大失敗

10年前に私がやらかした理不尽な指示

まだ右も左もわからずだった頃、冊子屋さんの資材搬入時、1階のエントランスにおいてください。と根拠もなく行き当たりばったりに指示をしました。
1階では昼から躯体の補修作業があり左官屋さんが「これじゃできねーだろーが!!」
誰がここに置くように指示した?となり、とても怒られ泣きながらEV横に移動させました。
その冊子は明日1階エントランスで使用する冊子だったためEV横に移動させていたら冊子屋さんにも
「EV横まで持っていったら遠くて大変じゃねーか!!」と怒られ板挟みになってしましました。

大失敗から学んだ、職人の本音

それからは『昼から1階エントランスで躯体補修作業が入るので、今日だけはEV横に置かせてほしい。その代わり、冊子の移動間配りは僕が手伝います』というように、合理性と相手の負担を減らす提案をセットにするようにしました。すると職長も『おう、それなら最初から言えよ!』と笑って動いてくれるようになったのです。

また同様のことがないように、自分が手伝わなくても良いように搬入日時の調整を行うようにしました。

5. まとめ:まずは明日の朝、指示の「理由」を1つ付け足してみよう

綺麗事の教科書通りにはいかない

現場は人と人とのぶつかり合いです。関係性を良くしようと無理にへりくだったり、お酒を飲みに行ったりする必要はありません。

大切なのは、現場のプロとして「お互いがトクをする合理的な仕事の進め方」を提示することです。

明日からの現場を変える最初の一歩

職人さんとの人間関係は、一朝一夕には変わりません。

まずは明日の朝、指示を出すときに「なぜなら、〇〇だからです」という合理的な理由と相手のメリットを1つだけ付け足してみてください。

その小さな一歩が、あなたの現場を100倍ラクにする始まりになります。

一緒に、一歩ずつ現場を回していきましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました